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岡山県倉敷市の山奥で、ひっそりと織機を動かし続けている織物工場があります。 明治32年創業の<石井織物>、現在は3代目である石井八重蔵さんがほぼお一人でされています。 石井織物が作る生地は二種類、平織(タッサ―)と綾織(ギャバ)です。 昭和40年台から約50年使い続けている貴重なシャトル織機で織り続けています。 「着るものは生きる基本、必需品をつくる」と語る八重蔵さん。 昔は、平織は白衣、綾織は学生服に使われ、重宝がられました。 現代では化学繊維が普及し、そういったものに使われることはほとんどありません。 綿織物も革新織機の登場で格段に量産スピードが上がりました。 それでも、シャトル織機でぼつぼつと織られるこの生地には、量産品には代えがたい魅力があります。 ゆっくりさが生む表面の凹凸感、生かして使いきれる美しい生地耳。 「こゆこと言うたら笑られるけど…生地の耳はイヤリングなんよ」と八重蔵さんは言いました。 こちらの商品は八重蔵さんの平織(タッサ―)を酵素精錬で洗い加工したものです。 精錬することで、生地に含まれる不純物を取り除き、柔らかな風合いになっています。 私はこの平織でメンズシャツを縫ってみましたが、非常に扱いやすく、 施したことが素直に表れてくれる正直な生地だなと感じました。 シーチングよりも密度があり、しっかりとしているのでシャツにおすすめです。 「人を助けて、自分も助かる、共存の時代にならんといけんよな」 この生地を使い、必要な誰かに届けたいと思っています。 ※天然特有のカスを残したままですので、黒い小さな点や筋が見られます。
また小さな目とびが入る場合がございます。